口下手の克服方法
昔から口下手が悩みでした。具体的に言うと、小学校に上がるときには無口な子供だった記憶がありますし、その後も人とのコミュニケーションは常に苦手で、克服できる悩みだと考えることすらないほどでした。
そうした性格だったので、さすがに親が心配して無口を克服するように折にふれて、たとえばクラス替えや進学の時に強く言ってきたこともあるものの、口下手をどのように改善すればいいかをアドバイスしてくれるわけでもなく、直したい気持ちはあったものの、そのまま直すことはできずに大人になりました。
小学校から高校までは同級生の中に以前の知り合いがいたので、それが心理的な障壁になっていた部分もあると思います。急に性格が変わったと冷やかされるのも恥ずかしいので。しかし、大学に進むとき、知り合いのいない東京にいっても口下手を克服できなかったことを考えると、やはり持って生まれた性格の部分が大きかったと思います。
初対面の相手だと会話が続かず、気まずい空気になってしまうため、大学に入ってからも口下手が原因で友達がなかなかできず、すっかり無口キャラが定着してしまいました。いきなり打ち解けられないうえ、親しくなっても会話をはずませることが苦手なので、それがコンプレックスになってしまっていたのです。
もちろん、就職の時も営業の仕事をするのは無理だと思っていたので、営業職はまっさきに外しました。営業の仕事は就職・転職の求人が多いのがうらやましいとは思っていたものの、口下手で人見知りな性格では務まる仕事ではないと思ったのです。
成人後のコミュニケーション能力
どうにか経理の仕事で出版関係の仕事に就けたものの、新社会人としての壁や社内の先輩とのコミュニケーション、慣れない仕事など、問題は山積みでした。口下手はここでも損をする要因にはなっていて、意外に経理は他の部署との連絡が多く、気まずい思いをしていました。
とは言え、さすがに新人のうちは直接自分が他部署と連絡を取る機会は少なく、先輩に代わってもらう機会が多いのが救いだったものの、あまり楽な職場とは言えませんでした。
どうにか経理の仕事を覚え始めた頃、異動が決まりました。大きな企業でもないため社内での配置転換は頻繁で、それぞれの社員の適性を見るため、そして会社の全体像を見せるためという目的のようです。
そこで、私は無口で口下手な性格にも関わらず、書店を回る営業の仕事に回されてしまったのです。電話等ではなく、まさに足を使って対面で人に会う仕事なので、適性がないのは明らかでした。事実、初めての本屋さんに行き、店長や担当者に次々に会うのは辛く、世間話も話題が続かずに沈黙してしまうこともたびたびでした。
この頃、プライベートでも大きな変化がありました。
無口による別れ
実は学生時代に数少ない友達から紹介された、やはり無口で物静かな彼女がいました。親しくなるには時間がかかったものの、あまり気負わずにいられること、口下手同士なので会話を無理に続けなくてもよいことが分かり、安心して付き合えるようになったのです。
その彼女が、私の元を去って行きました。一緒にいてもつまらない、一人でいるのと変わらない、というのが理由ということです。もちろん、言葉に表せない部分も色々あったのでしょうが、これはショックでした。彼女の前では口下手も許されると思っていただけに、ショックも大きかったのです。
仕事・プライベートの両面で口下手が災いし、本当に損な性格、もっと言えば大きな問題を抱えて生きていかなくてはならないことが、いい加減嫌になりました。
そして、再び口下手の克服という難題に挑戦してみようと思うことになったのです。今なら、改善策をネットで見つけることもできます。そのため、色々な方法を試してみました。イメージトレーニング、話題の選び方、相手の様子に合わせた会話術等、ネット上に散りばめられた様々な選択肢を実践してみたのです。
しかし、残念ながら、多くは不発に終わりました。しょせんは断片的な情報なので、口下手を克服するには不十分だったのです。そして、もうあきらめようかと思いました。子供の頃からの性格を直すことなんて、最初から無理があったと思わざるをえなかったのです。
それでも、未練があったのは事実です。おとなしい彼女が去り際に言った言葉も胸に刺さっていました。そして、最後と思って試した手段が、結果的に私の口下手を改善、さらに克服させてくれたのです。
実は、この方法を読み返しても、目からウロコが落ちるほどの内容が満載というわけではありません。たしかに、話題の見つけ方は大きな発見でしたが、それ以外はかなり普通な印象、私はネット上で多くの情報をそれまでに見ていたので、初めてではない情報も多かったのです。
ただ、大きかったのは、口下手や無口を克服し、相手に好感を持たれながらその場の雰囲気が良くなる会話をするか、体系的に描かれていたことです。細々したテクニックではなく、まさに根本から描かれているサイトは他に見つからなかったので、そこが大きな違いでした。
私自身の体験では、読み終わった翌日から少しずつ実践を始め、湧いてきた疑問を確認して再び試すという流れにしたところ、翌週には明らかに効果が出ていました。書店で何度も会ってきた担当者が、これまでより明るい顔で話してくれたり、プライベートな会話もできるようになったのです。
社内でのコミュニケーションも苦ではなくなり、同僚や上司との会話量も増えましたが、それが結果的に仕事に前向きに取り組むようになったと評価され、実践から約4ヵ月後の評価査定の時にプラスになったと説明されました。
何より嬉しかったのは、これまでは初対面の人はもちろん、何度も会っている人でも避けたいぐらいだったのが、人と会うのが楽しくなったことです。口下手というのが、思いの外自分の可能性を狭めていたことを、改めて痛感しています。
間違った方法では、口下手を直すのは困難です。これは、実体験から確実に言えることです。しかし、正しい方法を使えば、意外に簡単に克服できてしまうのも事実です。幼少期からの性格すら、自ら改善することは十分に可能だったと、今なら自信を持って言えます。
私が子供の頃からの口下手を克服した方法
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